其扇流の級・段位規定

 「東都浅草投扇興保存振興会規約」の「別に定める規定」として、級・段位に関するものが定められています。これは、1996年の改訂前とほとんど変わっていませんが、「支部」制度の導入により、段位に関して少し改訂が加えられています。
 以下、「会員証」に記載されている級・段位規定をご紹介します。


級・段位規定

当振興会においては、下記の項目を満たしたる会員に対し、審議会の承認をもって級位及び段位を与える。

三級
当会公認の席において、10投四席、40投の合計点が40点以上であること。
二級
当会公認の席において、10投四席、40投の合計点が60点以上であること。
一級
  1. 半年間に3回以上連続して当会公認の席に出席し、そのつど10投四席、40投の合計点が70点以上であること。
  2. 二級を有する者でなくてはならない。
初段
  1. 当会公認の席において、10投四席、40投の合計点が6回連続70点以上であること。ただし、6回目は振興会の例会における記録であること。
  2. 適切な席の設営を行い、字扇取役、記録取役が円滑に務められること。
  3. 一級を有する者でなくてはならない。
  4. 理事会の議を経た者でなければならない。
二段
  1. 当会公認の席において、10投四席、40投の合計点が6回連続85点以上であること。ただし、6回目は振興会の例会における記録であること。
  2. 適切な席の設定を行い、銘定行司、字扇取役、記録取役が円滑に務められること。
  3. 初段取得後、1年以上の者でなくてはならない。
  4. 理事会の議を経た者でなければならない。
三段
  1. 当会公認の席において、10投四席、40投の合計点が6回連続100点以上であること。ただし、6回目は振興会の例会における記録であること。
  2. 適切な席の設定を行い、銘定行司、字扇取役、記録取役が円滑に務められ、席の運営全般にわたり配慮できること。
  3. 二段取得後、1年以上の者でなくてはならない。
  4. 当会の発展に協力する者でなくてはならない。
  5. 理事会の議を経た者でなければならない。

ただし「当会公認の席」とは、当振興会規約第二章第4条の1、及び第六章第12条による支部の例会をいう。
なお、級位にあっては、規定の様式による当会への申請をもって認許とする。
また、段位にあっては、規定の様式による当会への報告にもとづき、理事会の議を経て、審議会の承認により認許する。
規定の様式は別に定める。本人の申請、支部長の確認印あるもの。

以上


 個人会員でなく支部会員である場合は、申請は支部代表者がまとめて行ないます。
「別に定める規定の様式」というのは、現在もまだ発表されていませんので、申請書は各支部で適当に作成しているようです。その場合、「例会の日付と会場、得点」そして代表者の署名・捺印が必要となります。
そして、その成績を申請者自らが記録し、同席者がサインしてある会員証のコピーを、申請書に添付しなければなりません。
(支部代表者の方、あるいは個人会員の方、わからないことがあればお教えしますので、私宛にメールしてください。)

 規定からわかるように、初めて申請する人は、たとえどんなに実力があっても大会での実績があっても、二級からスタートしなければなりません。
その後、一級、初段まではスムーズに行けても、二段および三段へは1年以上の間隔を開ける必要があるので、最初から40投で100点など簡単に取れるくらい急速に上達した人であっても、三段までは最低でも2年半以上はかかります。

 それと大事なことですが、点数の条件だけを満たしていても段位を許されるとは限りません。
とは言っても、たいていの場合は申請すれば授与されるようですが、実際に「二段を申請してきたが、普段の試合中のマナーが好ましくないので却下した」あるいは「行司としての銘定に不備があるので却下した」という例が過去にあったそうですから、お互い気をつけたいものですね。

 初段以上を申請するにあたっては、全て自分の所属する支部での気楽な例会の成績だけではダメで、規定にあるように6回目だけは必ず振興会の例会に参加しなければなりません。
振興会の例会とは、奇数月の最終週あたりに浅草三業会館の二階で行なわれる例会のことですが、なにぶんにも平日に行なわれるのが通例なため、普通の勤め人、特に遠方の会員にはなかなか参加しづらいのが現状です。この規定のために、実力は十分なのに何年も1級で止まっている会員もいます。
そのため、毎年11月の第4土曜日あたりに同会館で開催される「競技大会」の個人戦予選の40投をもって、この「振興会の例会」に替えることが認められるようになりました。

晴れて初段を認められた会員には、希望する漢字一文字を含む名前が家元から与えられ、その号(銘)を記した短冊が授与されます。私の「其扇庵匠胡」の短冊はこちらです。

これにつきましては、「名取りの銘」、および私が頂いた時の話を中心に「自己紹介」に詳しく書きましたので、そちらをご覧ください。


なお、この規定は近日中に改定される可能性があるようです。ポイントは、成績をつける「公認の席」の間隔や期間についてだと思われます。
正式に決まりましたら、こちらにただちに反映します。