記録取役が所定の用紙に得点をつけていき、試合が終わって両投者の得点を読み上げることによって、行司が勝敗を宣告します。途中の記録ミスや最後の計算違いなどがあってはならない、けっこう神経を使う役目です。
浅草見番で行なわれる隔月の例会では、最近はボウリングのスコアシートのような用紙に得点をつけていくだけになり、しかも一投ごとに足し算をしていくようにできているので、最後に時間をかけて計算する必要もなくて楽です。
私の所属する連などの例会で使っているシートをサンプルとしてご紹介します(エクセルのファイルです)。この場合は、1投ごとに行司の銘定と得点を記入して行きますが、銘定は別にひらがなでもいいし、忙しかったら省いても構いません。得点の加算だけ間違えないようにしてください。
しかし、伝法院の春の大会では、従来通り「東都浅草其扇流 投扇興得点控」に専用のスタンプを一投ごとに押していくことによって記録していきます。その手順は次のようになります。
(この「得点控」は、著作権の関係でここに全体の画像を掲載することはできませんが、記録取役の仕事のイメージをつかんで頂くために、ごく一部分に限定してご紹介します。)
(以下の説明は、「得点絵図」にスタンプを押す形式で記録を取っていく場合です。得点表に数字だけ記録していく場合には読み飛ばしてくださってかまいません。ただし、最後の行の注意点だけ頭に入れておいてください)
銘定行司が例えば「手習につき無点」と告げた時、「手習」の欄を探して、そこにスタンプを一個押します。銘がわからなくても、点数で探せばすぐ見つかります。
もし後で再び「手習」が出たら、また同じ欄に、重ならないようにスタンプを押していきます。他の銘の場合も同様です。

ところで、扇の要側が枕を打った時の「コツリにつき過料一点」の場合は、「コツリ」という欄がありませんので戸惑うかもしれません。この場合は「手習」の欄の下の方に普通にスタンプを押して、そのコツリの数を「正」の字などで記録するようにします。
上の写真でも、一度コツリが出ているのが記録されているのがおわかり頂けるでしょうか?
記録係がやることは基本的にはこれだけです。
あとは対戦者を間違えないこと、また5投ずつが終わって投席を入れ替えた時に用紙も入れ替えることを忘れないようにしてください。
また、10投ずつが終わった所で両者のそれぞれの合計得点を計算して読み上げなければなりませんが、「1席満投」と言われてから足し算をしていると時間がかかりますし、慌てていると計算間違いもしばしば起こります。
そこで、慣れてきて余裕ができたら、1投ごとに足し算をしていくことをお奨めします。スタンプを押した後、得点を得点表の右脇に書き出し、前の得点と足していくのです。一回に1桁の数を加えるだけなので、あとで一気に計算するよりは簡単で間違いも少なくなります。
ただし、スタンプを(右利きの場合)右手で押しているとペンに持ち替えて記入するのが大変なので、スタンプは左手に持った方がよいでしょう。シャチハタ印ならさらにスピーディーにできます。

ぜひ一度試してみてください。私は常に実行しています。