投扇興其扇流第三段階・40通りの銘定の覚え方
〜初心者から有段者まで〜
Last Modified 2001/01/30
Since 2000/08/12
「しあわせ家族計画」などで世間にもずいぶん知られるようになった、浅草の其扇流(きせんりゅう)という流派の投扇興では、これまで源氏物語54帖になぞらえた技のうち、26通りに簡略化した体系を使用してきました。
しかし、これは最初は19通りであったものを、第2段階として昭和63年から26通りに増やしたそうで、さらに平成12年5月からは第3段階の復元として40通りに増やされました。
(さらに10年後には、最終的に54種全てを復元する予定だそうです)
そこでこのページでは、新しい40種の技を効率的に覚えられるよう、従来(第二段階)の26種の技の1つ1つがどのように拡張されるのかという視点で分類と解説を試みました。
それぞれの名称の部分をクリックして頂ければ、その技の状態を示した画像と解説のページに飛ぶようにしてあります。
特に、銘定行司をスムーズにこなすことが求められる有段者の方のお役に立てればと思っています。
何しろ、ホームページ作成ソフトをほとんど使わず、知ってる範囲のタグだけを手で打ちこんで作ったので、表現方法は稚拙です(^_^;)。ご了承ください。
ご質問、ご要望等は、下記の掲示板もしくはメールにてお寄せください。
★更新状況★
★投扇興掲示板★
★現在の疑問点★
(次の例会で確認してきます)
★リンク★

【其扇庵匠胡】
(三段)
★総論★
- たとえば花散里と末摘花のように、26種類の当時でもすでに分けられていた類似型についても、他の技との対比を明確にするために一緒にまとめてあります。
- それぞれの詳しい解説は、写真付きで別文書にまとめていきますので、名前の所をクリックしてみてください。
- あと、一つ大事な点を述べておきます。
明らかな言い間違い(若菜と言うべき所を若紫と言ってしまった、など)はともかく、夕顔か絵合(あるいは紅葉賀)か、あるいは末摘花か花散里か、のように微妙なケースで、最終的に銘定行司が決定した銘に対しては、
投者も観衆も一切不服を言ってはいけません。サッカーの審判のように、行司の裁定が絶対であると考えてください。
逆に行司は基準に従って自信を持って裁くこと、そして
「どっちにも取れる」んだったら、高い方にする
のが基本的な考え方です。
どういうことかと言いますと、たとえば今回から導入された絵合や紅葉賀というのは、「ほんのわずか蝶が扇に触れているってだけで1点が5点になるのは高すぎる」のを是正しているわけで、その「ほんのわずか」でなければ、
今まで通り夕顔や夕霧に取っても別に問題ないわけです。
ただ、それだと行司によって判定がまちまちになってしまうので、便宜的に「蝶が半分以上」扇の外に出た場合、などの目安が示されているのです。実際にちょうど半分くらいで「どっちにしようかな…」なんて迷うこともよくあると思いますが、そういう場合は
夕霧ないし夕顔という高い方に取ってかまわないということです。
同じことが、夕顔と朝顔、朝顔と柏木、行幸(もしくは総角)と須磨、など色々な場合について言えますので、行司をなさる方は心に留めておいてください。
★40種類の解説★
-
野分……枕を倒した状態。
↓
| 野 分 |
のわき
|
-20点 0点 |
(従来と同じ)扇が枕を倒してしまった状態
但し、蝶が立てば過料なし
|
-
手習……扇が蝶を落としも倒しもしなかった状態。
↓
| 手 習 |
てならい
|
0点 -1点 |
扇が蝶に触れなかったか、蝶に触れても扇が落ちた状態
但し、扇が蝶を打つと過料一点
|
| 関 屋 |
せきや
|
1点 3点 |
扇が蝶に触れたあと枕にかかり、要は地に着いた状態
但し、扇が両褄上がりだと二点増し
|
| 藤 袴 |
ふじばかま
|
2点 |
扇が蝶に触れたあと枕にかかり、要が浮いた状態
|
-
花散里…扇が地に落ち、蝶も地に倒れて扇から離れている状態。
-
末摘花…地に落ちて倒れた扇と蝶が、枕を挟んで向かい合った状態。
↓
| 花散里 |
はなちるさと
|
1点 |
(従来と同じ)枕と扇と蝶がバラバラな状態。
|
| 梅ヶ枝 |
うめがえ
|
2点 |
枕、扇、蝶の順に一直線に並んだ状態
|
| 末摘花 |
すえつむはな
|
3点 |
(従来と同じ)扇、枕、蝶の順に並んだ状態。
|
-
行幸……蝶は地に落ち、扇が枕にかかった状態。
↓
| 行 幸 |
みゆき
|
4点 |
扇の要が地に着いた状態
|
| 総 角 |
あげまき
|
5点 |
扇の要が浮いた状態
|
-
夕顔……地に落ちた扇の地紙の上に、蝶が乗った状態。
-
夕霧……地に落ちた扇の地紙の下に、蝶が隠れた状態。
↓
| 夕 顔 |
ゆうがお
|
5点 |
蝶が半分以上地紙の上に乗っている状態
|
| 夕 霧 |
ゆうぎり
|
5点 |
蝶が半分以上地紙の下に隠れている状態
|
| 絵 合 |
えあわせ
|
4点 |
蝶が地紙の縁から半分以上出た状態
|
| 紅葉賀 |
もみじのが
|
4点 |
蝶が地紙の脇の親骨側から半分以上出た状態
|
-
松風……扇は地に落ち、蝶が枕の上で倒れた状態。
↓
-
須磨……枕にかかった扇が、枕をはさんで地に落ちた蝶と向かい合った状態。
↓
-
朝顔……地に落ちた扇の骨の上に、蝶が一部でも乗った状態。
-
鈴虫……地に落ちた扇の骨の下に、蝶が一部でも隠れた状態。
↓
| 朝 顔 |
あさがお
|
7点 |
骨の部分の側の上
|
| 鈴 虫 |
すずむし
|
7点 17点 |
骨の部分の側の下
但し、骨の間から蝶が立つと十点増し
|
| 柏 木 |
かしわぎ
|
8点 |
要(ピン)に蝶が触れている状態
|
| 紅葉賀 |
もみじのが
|
4点 |
蝶が親骨から半分以上外に出た状態
|
-
花宴……扇は地に落ち、蝶は錘の部分で枕の端からぶら下がった状態。
↓
-
若菜下…扇が枕にかかり、蝶は枕の上で倒れた状態。
↓
-
薄雲……枕にかかった扇の下に蝶がある状態。
↓
| 賢 木 |
さかき
|
8点 |
扇が倒れた蝶の上に乗った(踏んだ)状態
|
| 宿 木 |
やどりぎ
|
8点 |
地に落ちた蝶が、枕にかかった扇に一部だけ乗った状態
|
| 薄 雲 |
うすぐも
|
8点 |
立った扇の下に蝶が一部でも隠れた状態
|
-
早蕨……扇が地に落ち、蝶が扇に触れずに立った状態。
-
東屋……扇が地に落ち、蝶は枕をはさんで扇と向かい合う位置で立った状態。
↓
| 早 蕨 |
さわらび
|
10点 |
枕、蝶、扇の位置がバラバラな状態
|
| 匂 宮 |
におうのみや
|
11点 |
枕、扇、蝶の順に並んだ状態
|
| 東 屋 |
あずまや
|
13点 |
扇、枕、蝶の順に並んだ状態
|
-
澪標……扇が枕の上に乗った状態。
↓
-
若紫……扇が枕にかかり、蝶が地で立った状態。
↓
| 若 紫 |
わかむらさき
|
13点 |
蝶との位置がバラバラ
|
| 明 石 |
あかし
|
15点 |
蝶と向かい合う。須磨状態
|
-
帚木……蝶が枕の上で倒れ、その上に扇が乗った状態。
↓
| 帚 木 |
ははきぎ
|
15点 |
(従来と同じ)
|
| 少 女 |
おとめ
|
30点 40点 |
蝶が花宴状態
但し、扇の要が蝶に触れていると十点増し
|
-
空蝉……扇は枕にかかり、蝶は錘の部分で枕の上からぶら下がった状態。
↓
| 空 蝉 |
うつせみ
|
18点 33点 |
(従来と同じ)
但し、扇が蝶に支えられて枕に触れていなければ十五点増し
|
-
桐壺……扇は枕に乗り、蝶は地に立った状態。
↓
-
浮舟……地に落ちた扇の上で蝶が立った状態。
↓
| 浮 舟 |
うきふね
|
30点 40点 |
扇の地紙の部分で蝶が立った状態
但し、箱の手前ならば十点増し
|
| 横 笛 |
よこぶえ
|
35点 |
扇の骨の部分で蝶が立った状態
|
-
真木柱…枕にかかった扇から蝶が吊られた状態。
↓
| 真木柱 |
まきばしら
|
30点 50点 |
要から蝶が逆さ吊り
但し、鈴が要にからんで下がれば二十点増し
|
| 御 法 |
みのり
|
35点 |
地紙の部分から逆吊り
|
-
蓬生……地に立った蝶に、扇が枕によりかからずにかぶさった状態。
↓
| 蓬 生 |
よもぎう
|
35点 50点 |
(従来と同じ)
但し、扇が両褄上がりなら十五点増し
|
-
篝火……枕に乗った扇から、鈴で蝶を吊った状態。
↓
-
夢浮橋…立った蝶と枕の間に、扇が橋を掛けた状態。
↓