胡蝶(こちょう)

45点

胡蝶は、澪標となった扇の上に蝶が乗った形です。いわば帚木の逆、とも言えます。

胡蝶

上のように、扇の上で蝶が立った形、しかも地紙ではなく骨の方で立った形が本来の胡蝶であり、45点となります。言わば「澪標+横笛」の形です。
下のように地紙の上で立った形も胡蝶になりますが、得点は5点マイナスで40点です。こちらは言わば「澪標+浮舟」の形です。

胡蝶だけど減点5

蝶が扇の上に乗ってはいても残念ながら倒れてしまった場合、これも胡蝶ですが15点マイナスで30点どまりです。

胡蝶だけど減点15

ただ、実現可能性という意味では、これが一番あり得るのは言うまでもありません。私は其扇流の試合や練習では(2014年1月現在)見たこともないですが、岡山後楽園の新年の投扇興の会にお邪魔した時、 相手の方に出されてしまったことがありました(銘の呼び方は全く違うものですが)。

他流派での実例

これは、御扇流の大きな蝶を使用していたため、やや勢いの弱い扇が蝶の根本に当たり、落としきれなかった蝶が手前に倒れて、うまい具合に扇に乗ったのでした。 其扇流の「胡蝶」が実際に出るとしたら、やはりそういう過程になると思います。
こういうのが出ると、負けて悔しいとか言う気持ちは吹っ飛んでしまい、ただただ「珍しいものを見せてもらってラッキー!」という感激しかありませんでした。

追記)
2015年11月14日、扇友連九州支部の例会にて、其扇庵松鳳さんがこの奇跡の型をついに出しました!

胡蝶の実例

胡蝶の実例

胡蝶の実例

扇が澪標になり損ねて手前にずり落ちてしまうことがよくありますが、それと「扇が蝶に軽く当たって跳ね返され、蝶がいったん向こう側に倒れかけた後で揺り戻されて手前に倒れる」という現象がたまたま同時に起こり、落ちかけた扇を蝶が上から押さえつけて、何とか落ちるのを食い止めた…ということのようです。
これが試合だったら30点でしたが、残念なことに練習中だったそうです。

参考)
2005年10月9日、まだ其扇流の銘定が40種類で「胡蝶」が含まれていなかった頃に、瓦落多連の「つの」さん(左)が出した胡蝶です。当時は絵図から「扇が蝶を落とさずに枕に乗った形」と考えられており、まず不可能だと思われていました。

胡蝶の実例

胡蝶の実例

胡蝶の実例

胡蝶の実例

胡蝶の実例

胡蝶の実例

どう見ても扇の重さのバランスから不可能にしか見えないと思いますが、実は蝶の錘の部分にほんの少しだけ隙間があり、そこに偶然扇の「顔」の部分が引っかかって、しかもたまたま蝶を落としきらずに枕の縁で踏みとどまったようなのです。まさに奇蹟としか言いようがありません。
54種の銘定となった今でも、要するに「扇の骨の部分の上で立った」という解釈をするなら、45点に相当する形と言えるのではないでしょうか。

胡蝶の実例


関連項目: