初心者のうちは扇をまっすぐ飛ばすことさえ苦労するものですが、だんだん蝶に当たるようになった頃、今度はこの「コツリ」に悩まされるようになるものです。せっかくまっすぐ飛んだのに肝心の蝶に当たらず、枕に当たってしまうことを言います。

この写真のように、扇の要の側が枕に強く当たると、桐材で作られた枕には傷がついてしまいますので、そのペナルティという意味合いで、一点を減らされてしまいます。
扇が当たった衝撃で枕が揺れ、そのために蝶が倒れたり落ちたりすることがありますが、それでも関係なくマイナス1点です。よく「コツリの結果、揺れた枕から落ちた蝶が立った」時に「野分のように、過料1点が取り消してもらえるのか」と言われることがありますが、コツリの方にはそのような規定はありません。あくまで野分だけの特例です。

一方、扇が枕に当たったと言っても、上の写真のように親骨が当たっただけの場合は、単なる手習で過料は取られません。当たった時の音が大きいと惑わされがちですが、行司の方はよく経過を見るように努めてください。
また、枕といっても下の台座の部分に当たった場合は、コツリでなく普通の手習として過料には問われないのだそうです。ご注意ください。

もう一つ、注意しなければならないのは、扇が蝶の錘(おもり)の部分に当たった場合です。五円玉が入っている関係で他の部分とは違う金属音が響くため、コツリと間違いやすいのですが、枕に当たったわけではないならコツリにはなりません。
それと、仮に枕が大きく傾いてしまっても、扇の要が枕を打ったのでなければ、あくまで「手習」であって過料はありません。

もっとも、そのまま枕が倒れてしまったら、いくら扇の要が枕を打っていなくても「野分」で過料20点です。
なお、野分やコツリによって最終的な10投の合計得点がマイナスになってしまったとしても、「無点」として発表します。記録取役の方は気をつけてください。
特に、両者が無点で終わった場合、片方が「0点」の無点で、もう片方が「本来ならマイナス」の無点であったとしても、これは「両者無点で追投」になります。マイナスの方が負けということではありませんので、こちらもご注意ください。
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