行幸は、花散里の次に基本的な形とでも申しましょうか、蝶を落とした後の扇がそのまま地に落ちてしまうことなく、枕に立てかかって止まった形です。

行幸というのは上の写真のように、枕にかかった扇の要側と片方の褄(「つま」=すそのこと、親骨の先端)が地についている形、もしくは、
右のように地紙で立っている逆立ちの形を指します。つまり、比較的安定しているため、よく見られる形です。
一方、次の写真のように、比較的新しい扇の場合、地紙の折り目がしっかりしているため、次の写真のように扇が枕に触れずに自力で立ってしまうこともたまにありますが、これも花散里ではなく行幸に取ります。

一方、下のように扇が片方の褄だけを地につけて横向きに立っている場合は総角となり、1点多い5点が与えられます。
さて、総角のことはさておき、行幸の場合の扇と蝶の位置関係について書いておきましょう。
花散里に対して末摘花があるように、行幸の扇と蝶が枕をはさんで向かい合っている場合には「須磨」と判定されます。また、枕にたてかかった扇の下に蝶がある場合は薄雲あるいは賢木になりますので、
それ以外が行幸、ということになります。
なお、花散里の特殊ケースとして梅ヶ枝が、早蕨の特殊ケースとして匂宮がありますが、行幸にはそういうのはありません。枕にかかった扇の側に蝶があっても単なる行幸ですので、ご注意ください。
また、関屋の場合は両褄上がりならボーナス点がありましたが、行幸にはそういうのはありませんので、これまたご注意ください。
関連項目: