玉鬘(たまかづら)

13点

玉鬘は、若紫の特殊な場合です。扇が両褄上がりになっていたら玉鬘となります(後述するように、「紅梅」になっている場合を除く)。
ただし、扇は枕の向こう側にある必要があります。両褄上がりになっていても、扇が枕の横にあったりすると、若紫になります。

玉鬘

向こう側でないので若紫

もっとも、若紫も玉鬘も13点なので、扇がどこにあっても銘以外に差はないことになります。いわば、「関屋の加点と葵の関係」と同じです。

玉鬘の加点

玉鬘には加点規定があります。両褄上がりになっている扇に、立った蝶の一部が触れていると、10点増しで23点となります。
それだけだと「紅梅」と区別しにくいですが、玉鬘の方は「蝶があってもなくても扇が(いわば自力で)枕だけに支えられて両褄上がりになっている」のが条件です。

紅梅

一方、紅梅(20点)は「蝶も扇を支えている」形であり、もし蝶をどけるとバランスが崩れ、両褄上がりでいられないような状態です。
なお、どちらも言ってみれば「若紫+薄雲」のような状況ですが、それが加点の理由となるのは「椎本」だけです。

2022年4月16日追記)
私こと其扇庵匠胡は、この54種の銘定が発表された2013年からずっとこの玉鬘を出せずにいたのですが、9年も経ったこの日、ついに意外な形で経験することができました。
(しかも、これまた初めて出した「野分の加点」の数投後のことで、興奮が収まりませんでした)
練習中のことでしたが、扇が枕を越えて両褄上がりの形になり、その下で蝶が斜めに立っていたのです。扇に触れていたので一瞬「蓬生かな?」とも思ったものの、扇が枕にかかっていたのでその線は消え、「だったら、どうせ蝶は倒れるだろうから、まぁ薄雲ですかね…」と思いました。

ところが、念のため扇をそっとどけてもらったら、蝶は斜めのまま自力で立っていたのです! ということは、これはまぎれもなく玉鬘であり、しかも扇に触れていたからには加点の形ということになります。試合中だったら23点になる所でしたが、練習中だったのが残念…でもなかったですね。9年も縁がなかった大技をついに出せたのですから。


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