浮舟(うきふね)

30点、但し枕の手前なら10点増しで40点

浮舟は、扇を舟に、その上で立った蝶を帆に見立てているそうで、扇というのはあまり平らでないため、実はかなり珍しい形です。

浮舟

骨の部分で立った形は横笛として独立しましたので、浮舟に相当するのは地紙の上で立った形、つまり朝顔に対して夕顔の側ということになります。
なお、こちらは絵合とか紅葉賀のような規定はありませんので、たとえ蝶が立った地点が扇のヘリの上で あってもかまいません。「しあわせ家族計画」で俳優の渡辺裕之さんが第1投で見事に浮舟を決めた時も、その「扇の縁の上で立った」という形でしたね。

斜め立ちの浮舟

さらに、この浮舟が投者から見て枕の手前側で出ると、

手前で立った浮舟

10点がプラスされます。これはまずありえないように思われてしまうのですが、私も実際に出したことが1度だけあります。
その時の経緯を思い出してみますと、須磨とか初音になるような投げ筋の扇が、蝶を手前にたぐるようにひっかけて落とし、そのまま手前に落ちた扇の上で見事に立ったのです。何と言うか、体操の鉄棒とかで見事に着地が決まった!ってな感じでしたね。
なお、この加点規定は「横笛」の形には適用されませんので、ご注意ください。

なお、蝶は斜めに立っていてもOKですが、次のように少なくとも錘(おもり)の部分はしっかり地紙の上にあることが必要です。

斜め立ちの浮舟

斜め立ちの浮舟

錘さえ地紙の上にあるなら、もう1点が毛氈の方に出ていても浮舟になります。

こちらは浮舟

逆に、蝶全体のほとんどが地紙の上にあっても、錘が毛氈の方に出ていたら、それは早蕨どまりとなります。

残念ながら浮舟でなく早蕨

そういうわけで、ちゃんと紙の上で直立した形というのはかなり珍しいのですが、次の写真は、2004年11月13日に私が出した浮舟です。こうきれいに立ってくれると本当に気分がいいものです。

珍しい純正の浮舟


ところで判定に迷うのが、次のようなケースです。上記のように、たとえ蝶が斜めに経っていても、蝶の面が扇の面と直交しているなら問題ないのですが、次のように蝶の面も傾いている場合はどうなるのでしょうか。
簡単に言えば、蝶が扇と接している2点が、同じ骨の間(谷)にない場合、このような立ち方をすることがあります。

これは浮舟?これは浮舟?

結論から言うと、これも浮舟に取っていいそうです。
「自力で立っているか」というと若干疑問は残りますが、蓬生などと違って「扇をどけて確認する」ことができないし、扇と蝶の接点が2箇所しかないことに変わりは無いからです。
単なる夕顔との違いは、「蝶の面が扇の地紙と接していれば夕顔、浮いていれば浮舟」となります。次の写真では、最初の方が夕顔、2番目の方は浮舟となります。

これは夕顔これは浮舟


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