梅ヶ枝は、花散里の状態のうち、枕−扇−蝶がこの順で一直線に並んだものを言います。

一直線になってさえいればいいので、投者から見て並んだ方向が斜めだろうが真横だろうが関係ありません。まずありえないでしょうが、手前に向かってこの順で並んでもOKです。
これは2000年から追加された新しい銘で、つまり蝶を落とした扇が枕のそばに落ちているという形が美しいからだと思われますが、これが実は非常に珍しいのです。7点の「花宴」もかなり難しいですが、それに輪をかけて「出現頻度に比して得点が低い」形です。
どういうことかというと、扇がそれだけうまく失速して枕のそばに落ちるということは、蝶に対するインパクトも小さいわけなので、この梅ヶ枝になるよりは、蝶も扇と同じ辺りに落ちて夕霧や夕顔になりやすいためです。
そうならずに蝶が扇から離れ、なおかつ同じ方向に止まるというのは本当に珍しく、一度も見たことがないという方も多いです。
それだけ珍しい形なのに得点はたったの2点…もっとも、投扇興ではこのような矛盾はこれに限ったことではないので、見事この梅ヶ枝が出た暁には、点数の少なさを嘆くよりも、「『竹の花』のように滅多に見れないものを見た」と純粋に喜びましょう(^_^;)。
この梅ヶ枝がなかなか出ない理由として、せっかく蝶が扇より遠くに飛ばされても、「この並び方では真っ直ぐとは言えないよな…」と行司が思ってしまう場合が多い、という事情があります。
その割には、枕を間に挟んだ「末摘花」については明確な判定基準がなく、行司によってはかなり甘い判定になってしまったりするものです。
梅ヶ枝は末摘花よりさらに少ない2点しか与えられませんし、其扇庵夢蝶先生からは「それほどきれいな一直線にこだわらなくてもいいでしょう」と言われています。次の写真の1枚目は問題ありませんが、2枚目の方も梅ヶ枝に取って構わないでしょう。
なお、よく見られる次のような「枕−蝶−扇」の形
は梅ヶ枝ではなく、あくまで単なる花散里で1点ですので、間違えないようにしてください。
何しろ、扇が蝶を落とした後に勢い余って遠くまで飛んでいく ことはよくあるわけですから、いくら一直線上に並んでいても、あえて花散里と分けて点を与えるまでのこともないわけです。
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