真上から見て、落ちた蝶の一部(鈴と鈴ひもは除く)でも扇の陰の範囲に入っていれば、それは薄雲になります。「賢木」との違いについては、賢木の写真を見てください。

(横から見た図)

(真上から見た図)
須磨や薄雲の判定は微妙ですから、その判断を下す際には、行司さんは「厳密に見てますよー…」というパフォーマンスを対戦者や観衆に見せてあげるとよいでしょう。上に書いたように、行幸か薄雲か迷った時には、やおら膝立ちになってなるべく扇の真上から見るようにし、 たとえば手元の扇を閉じて垂直にぶら下げて影を作ってみるなど…そしてその影の範囲に蝶が入っているか入っていないか。それが見守っている人たちにも十分納得できるようにしてください。
もう一つ。薄雲と夕霧の区別について。
次の写真は明らかに薄雲ですが…。
このような場合は判断に迷うものです。どうするかと言うと、扇と蝶には触れないようにして、そっと枕をずらしてみてください。
もしも扇が落ちた場合は、蝶ではなく枕に支えられていたことになりますから、薄雲になります。
逆に、下の写真のように扇が全く動かなかった場合は、夕霧と判定します。
ただし、扇が動いたと言っても、よく見ると薄雲ではない場合もあります。
下の写真のような状態では、枕をどけると扇が落ちることは落ちるのですが、要(かなめ)の方が地面から浮き上がったりします。
これは何が起きているかと言うと、実は扇はすでに蝶に触れていて、「枕に支えられている」のではなく「蝶の錘(おもり)の厚みによって傾いているように見えているだけ」なのです。
蝶を支点としてシーソーのように反対側が跳ね上がった場合は、薄雲ではなく夕霧となります。
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