御扇流の銘定(簡易版)

ここの銘定は、一時期はかなりシンプルな体系になっていました。
全国大会では、さらに「的が落ちれば1点、鈴が鳴っただけなら0.5点」と極端に簡略化されることもあったそうです。

得点 説明(原文のまま) 源氏物語形式(26種)では
振鈴 半点 扇を以て的の鈴のみ鳴りて半点  
的落ち 1点 的落ちて一点 花散里,末摘花,夕霧,鈴虫
大滝 2点 的落ちて、扇、枕に持たれて二点 行幸,須磨
近江富士 3点 的落ちて扇に乗る、三点 夕顔,朝顔
的立ち 5点 的落ちて、立ちて、五点 早蕨,若紫,東屋,浮舟,蓬生
箱枕 6点 的落ちて扇、枕にのりて六点 澪標
胡蝶 7点 的落ち、立ちて箱(扇?)枕、七点 桐壺
山胡蝶 8点 扇、的下に、いずれも枕に乗りて八点 帚木
風胡蝶 9点 扇、的上に、いずれものりて九点  
三井御殿 10点 的、扇の上に立ちて箱枕、十点最上  

蝶が枕の上で倒れた形、つまり松風・花宴・若菜下・空蝉あたりに相当する形は0点、と聞いたことがありますが、まだ確認できていません。


ほか、都御流で用いられているのと同じ点数の、源氏物語形式の点式絵図の掛け軸が展示されていたのも見かけました。
その点式の右端の欄外には「弘化ニ年己五月新板」、右に題字が「紫式部 石山籠 綴源氏之 五十四帖 投扇興点式絵図(一部旧字体)」と書いてあるのが認められます。
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