試合の進め方

その後、扇の右半分にはずらっと銘定の説明があり、扇の中央に実際に試合をしている光景が描いてあります。
そこには次のようにあります(カタカナの使い方など原文のままです)。

目付役は2人。仕事は、
・銘の判定
・記録
・扇子拾い
デス。
扇子は強く投げるよりも、ゆっくりやわらかく投げるほうが良い
花と花台と扇子の位置関係で「銘」が決まる

これはほぼ浅草と同じようです。ただ、浅草だと上記の3つの仕事は3人で分担するのですが、人数が足りない時には銘定と扇子拾いは行司1人で行なったりするので、おそらくこの形式でも記録係だけが別なのでしょう。

扇の左半分には銘定の残りが説明してあり、左下に次のような補足があって終わりです。

扇子の要が敷物の外に出てしまった場合、点はナシ。ただし、他の部分ならかまわない。

つまり、扇全体はおろか、要の部分だけでも、敷物で示されたエリアから出てしまったらいけないというわけです。逆に言うと、それだけ広い範囲にさえ扇が止まれば1点はもらえるということでしょうか。
実際には、全ての銘を見ると、「扇が花まで届かなかった」という場合も該当する「銘」がないので、やはり無点のようです。それ以外はどんな形でも、何らかの銘があり1点はもらえます。