雑藝叢書(ざつげいそうしょ)
日本図書センター刊

2013年11月2日、「こめむし」さんから投扇興関連の史料のPDFをいただきました。

・日本教育文庫 衛生及遊戯篇 同文館編輯局
・雑藝叢書 日本図書センター
・日本遊戯史 酒井欣 拓石堂出版
・婦女手芸法 須永金三郎

まずは「雑藝叢書」の内容を転載します。
大正四年二月に刊行された本書には、様々な芸事の概要を紹介したあと、投扇興については「投扇式」の内容をそのまま載せてあります。
(なお、「日本教育文庫」に収録されている「投扇興譜」については、「投扇興譜」をご参照ください)


一、投扇式一冊
よく此の戯の大體を諭せり、予が目覩せる類書無慮十餘種に就いて、最も簡明なるを喜ぶ、只だ補説すべきは現今の花のさま本書に云ふ所と同じからず、其の制を寛政版扇容曲に説けり、『花は裁にても紙にても六寸五分四方にして、角を劒形に折返す也、内に浪の鳥目八つ、紙に包み入るゝ也、扨(さて)六寸五分の紙二枚、角々入違にして右の鳥目を包み、打紐にても水引にても結ぶ也』とある是也、今の花は細工物にて杏葉(いちょう?)のさまに拵(こしら)へ、両端に小鈴を着け、錢を包む處へは鉛を入れたり、之が爲めに褒美の扇の數も加はりぬ。
抑ゝ(そもそも)此の戯の流行は、扇容曲の序に、『安永二のとしの頃、投扇興と號(よび)て江都に此遊び出来にけるが、やゝ二年ばかり人々もてはやしけるにいくほどなくすたれ行(ゆく)』といへるにて其の初めを辨(わきま)ふべし。


以下、「投扇式」の内容がそのまま紹介されています。
詳細については「『投扇之記』の形式」をご参照ください。