野分(のわき)

過料20点、但し蝶が立てば無点



野分とは「ニ百十日」前後に吹き荒れる暴風・台風のことで、その名の通り、枕が倒されてしまった状態を言います。

野分

通常は、コツリより強く扇が枕に当たった衝撃で倒れることが多いのですが、扇が直接枕を打っていなくても、真木柱の状態で枕にかかった扇と蝶が、その重みで枕を倒してしまうことがごく稀にあります。 その実例は、松岡充浩さんのページに写真が載っていますので、ぜひご覧ください。当時、東都浅草投扇興保存振興会に確認してみたら、いわば「不可抗力」とも言うべきこのケースも、やはり「見立て」の上から 野分に取るのだそうです。

もともとは「大事なお道具を痛めた」ことに対するペナルティで、つまりコツリと同じ扱いです。古文書では、枕を倒したわけじゃなくても、例えば扇によって蝶の鈴ひもが切れてしまったような場合でも厳しく野分に取っていた時期もあったようです。
ちなみに、私も5年やってて今までに十数回の野分を見ています(自分でも二回(^_^;)ゞ)が、但し書きにある「枕が倒れたけど蝶は立った状態」

野分だけど蝶が立った形

というのは、一度も見たことはありません。むしろ、澪標と同時に蝶が立つ桐壺の方が、よほど可能性は高いと言えるでしょう。

2001年3月28日追記:
赤坂連に野分がけっこう多い方がいらっしゃるそうで、この「野分だけど蝶が立ったので過料なし」も最近出現したのだそうです。