関屋(せきや)

1点、但し両褄上がりなら2点増しで3点

関屋は、実は今までの手習の中ではよく見られた形なのですが、安易に採ってはいけません。
「扇が蝶に当たったにもかかわらず、蝶は地に落ちず(倒れず)」「その上で枕に扇がかかった」という条件を満たした形に対して、今回から1点が与えられます。「藤袴」との違いは、扇の要(かなめ)の側が地(毛氈)についていることです。
もし得点絵図がお手元にあったら確認して頂きたいのですが、単なる手習では蝶の鈴ひもが真下に伸びているのに対し、この「関屋」と「藤袴」の2つは、鈴ひもがゆがんでいるのがおわかりでしょうか? これが、「扇が蝶をかすめて、蝶を揺らした」というニュアンスを表現しているのだそうです。

下の写真では、蝶の位置を少しずらし、さらに鈴ひもを揺らして表現してみました。

関屋

ほとんどの人の投げ筋だと、扇が枕を越えて向こう側に落ちた時に、この形になりやすいようです。扇が枕を越えた後は、要の側から地に落ちるものだからです。距離が足りず、枕の手前で失速して扇が枕にかかった場合は、次に挙げる藤袴になる場合が多いですね。

さらに扇が「両褄(りょうつま)上がり」、つまり扇の要と片褄でなく「要だけ」で立った「あっぱれ」の状態になると2点プラスされ、つまり3点がもらえることになります。

関屋

なお、「藤袴」の不完全な形(次の写真を参照)についても、

関屋 関屋

藤袴として2点与えるわけにはいかないものの、いきなり手習で無点というにはしのびないので、「関屋」の本来の銘定の趣旨からは外れてしまいますが、関屋扱いとして1点を与えます。
注意しなければならないのは、上の形の最初の方も一見「両褄上がり」ではありますが、要が上になっているので、こちらは2点プラスの対象にはなりません。その点は「蓬生の両褄上がり」とは異なりますので、ご注意ください。あくまで「2点の藤袴とは認めがたい形に、おまけとして関屋扱いで1点をあげる」だけなので、その形にまで加点の但し書きを適用するのは適切ではないためです。

最後にもう一つ補足。
紅葉賀や絵合、あるいは薄雲などの判定の際には「鈴や鈴ひもは蝶の一部とは見なさない」という原則がありますが、この関屋や藤袴の前提となる「扇が蝶の一部にまず触れる」については、扇が鈴もしくは鈴ひもだけにしか触れていなくても有効です。