鈴虫(すずむし)
7点、但し骨の間から蝶が立ったら10点増しで17点
鈴虫は、すでに紅葉賀の項で書いたように、かなり条件が厳しくなってしまいました。
夕霧との違いということで、地紙の部分との境目から半分以上骨の側に蝶がいないといけない、という判定基準は従来通りなのですが、さらに親骨の内部にも半分以上蝶が隠れていないといけないことになりました。
鈴虫の今回の最大のトピックとしては、古文書には確かに見られる加点規定が新たに採用されたことです。
実際にはほとんどありえないことですが、蝶のおもり(というか足)が骨の下に沈んだような状態で立っていると、
これは浮舟でも横笛でもなく「鈴虫の特殊な形」として、17点となります。
しかし、これは写真を撮るに当たって実際にやってみてわかりましたが、まず無理です(^_^;)。昔の扇と蝶はどうだったかわかりませんが、少なくとも今の浅草で使用している扇と蝶のサイズでは、骨の間に蝶の足を通すだけで一苦労なのです。わざと手でやるのが大変ならば、
ましてやそんな形が自然にできあがるとは考えられません。
ほとんどの場合は、こちら側で立つならちゃんと扇の骨の上で立つのでしょうし、その場合は横笛として35点にもなるのですから、この鈴虫の加点についてはあまり気にしなくてもいいかもしれません。
2000/09/30 追記
実際には無理、なんて書いてしまいましたが、先日こんな形が実際に出現しました。
となると、たまたまこの形の蝶が立つことだってあるのかもしれません。
2000/11/30 追記
そして…! 第3回競技大会において、本当にこの形が出たんだそうです。
たまたま私は別の席にいて見逃してしまったのですが、目撃者の証言では、「扇と蝶がからんだまま凄い勢いで倒れてきて、ここで蝶が偶然立つ形になったというイメージ」だったそうです。さらに言うと、「本来ならば蓬生(地紙の下ではなくて、骨の下で蝶が立つ、やや特殊な形
ですが)になるはずのところが、勢いのあまり、蝶が扇の骨の間を突き抜けてしまったような感じでした。」ということです。写真が残っていないのがとても残念ですが、とにかくこれで、「架空の形」ではなかったことが明らかになりました。
蝶が扇の上で立ったわけではないので「横笛」ではなく、あくまで鈴虫になります。
