手習(てならい)

無点、但し扇が枕を打てば過料1点



手習は、大きく分けると次の3通りの状態を指します。

「1.扇が蝶に全く触れなかった」(この場合、扇が地に落ちても枕にかかっても同じ)

手習

「2.扇が蝶には触れたものの、蝶を落としたり倒したりするに至らず、なおかつ扇が地に落ちた」

手習

「3.扇が蝶に触れる前に枕に当たっていた」あるいは「床に触れていた」

手習  →  手習




今回の改定によって「関屋(1点)」と「藤袴(2点)」が追加されたので、手習も厳密に定義しないといけなくなりました。
1.の写真の意味はどういうことかと言いますと、たとえ写真のように扇が枕にかかったとしても、あらかじめ扇が蝶に当たって揺するなり鈴が動くなり蝶がちょっと移動する…などしなかったのなら、それはあくまで「手習」であって、ごほうびの得点はもらえないという事です。

また、2.の写真はまさに見た通りで、扇が蝶に触れていたかどうかにかかわらず、結果として蝶が枕から落ちたり枕の上で倒れたりすることが全くなければ、基本的に手習となります。ただし、例外として、その後で扇が枕によりかかって止まっていれば、その形に応じて 「惜しい…」という意味合いでごほうび(関屋か藤袴)がもらえる、というわけですね。

3.は、あくまでも扇が直接蝶に当たることを重視しているということで、扇が蝶より先に枕に触れてしまったら、その時点でもう手習です。その後で扇が蝶を落として花散里になろうが、たまたま蝶が立とうが扇が枕に乗ろうが、全て無効です。また、関屋か藤袴か、など と迷う必要もありません。関屋も藤袴も、あくまで扇が先に蝶に触れることが前提だからです。
また、すごく扇がホップする飛び筋の人の場合、先に扇が床に触れてから蝶に届く場合すらあるのですが、その時も手習となります。ただし、勢い余って枕を倒してしまったら、手習よりも野分が優先されます。

なお、扇の要(かなめ)側が強く枕を打った状態をコツリと呼び、マイナス1点となってしまいますが、

コツリ

そのコツリの衝撃によって蝶が枕から落ちた場合も、もちろん得点どころか過料1点の対象であることに変わりはありません。
さらに、よく間違われるのですが、コツリで落ちた蝶が地で見事に立ったとしても、それは別に過料の免除などにはなりません(^_^;)。野分の但し書きとは別ですので、混同しないようにご注意ください。

コツリの判定に際して注意して頂きたいのは、扇が枕に当たった時の音を重視しすぎないことです。あくまで「要側が」枕を直撃した場合が減点対象なのであって、扇の飛び筋が左右に少しそれて扇の両脇の「親骨」と呼ばれる部分が枕に当たった場合は

手習

いかに音が大きくても単なる手習で、過料はありません。
したがって、銘定行司は特に手習やコツリ、そして次に挙げる関屋と藤袴の判定のことを考えると、常に枕や蝶、扇の動きに神経を集中していなければなりません。投げ終わった後の形だけで判定することはできませんので、ご注意ください。

あと、上記の「3」の場合も、要が当たっているんだからコツリで減点…のはずですが、実際にはその直後に蝶にも当たっていると、瞬間的に鈴の音などがまざってしまって、「要」が強く枕に当たっていたかどうかはとても自信がなくなってしまうことが多いです。 そのため、無理してコツリに取ろうとするよりも、「先に枕に触れていたので手習」である旨を明言する方が大事かと思います。
どっちみち、はっきりコツリとわかるような場合は、さらに扇が蝶にも触れるなんてことはまずないですしね。

なお、野分やコツリによって最終的な10投の合計得点がマイナスになってしまったとしても、「無点」として発表します。記録取役の方は気をつけてください。その結果、「両者とも無点」となった場合、たとえ片方の本当の得点がマイナスだったりしても、きちんと追投を行ないます。