浮舟(うきふね)

30点、但し枕の手前なら10点増しで40点



浮舟は、扇を舟に、その上で立った蝶を帆に見立てているそうで、扇というのはあまり平らでないため、実はかなり珍しい形です。
骨の部分で立った形は横笛として独立しましたので、浮舟に相当するのは地紙の上で立った形、つまり朝顔に対して夕顔の側ということになります。なお、こちらは絵合とか紅葉賀のような規定はありませんので、たとえ蝶が立った地点が扇のヘリの上で あってもかまいません。「しあわせ家族計画」で俳優の渡辺裕之さんが第1投で見事に浮舟を決めた時も、その「扇の縁の上で立った」という形でしたね。

浮舟

さらに、この浮舟が投者から見て枕の手前側で出ると、

手前で立った浮舟

10点がプラスされます。これはまずありえないように思われてしまうのですが、私も実際に出したことが1度だけあります。
その時の経緯を思い出してみますと、須磨とか若菜下になるような投げ筋の扇が、蝶を手前にたぐるようにひっかけて落とし、そのまま手前に落ちた扇の上で見事に立ったのです。その時の私の10投の得点は、実に86点に達しました。それが私のこれまでのハイスコアです。
なお、この加点規定は「横笛」の形には適用されませんので、ご注意ください。

私の目の前で私以外の人が「手前の浮舟」を出した例は1つしか知りませんが、それがとんでもない得点を生み出しました。
その人は試合中だったのですが、10投の中にその「手前の浮舟」40点のほか、18点の空蝉と11点の澪標まで出し、合計でなんと109点に達したのです! 10投全てが澪標でも110点なのですから、いかに高い点数かがわかります。
10投の得点が3桁に達したという奇跡的な記録は、他には「真木柱と蓬生を出した」という友人の102点というのがありますが、その2例しか知りません。
先ほどの109点は、大技3つだけですでに69点も稼いでいるわけですが、それでも残り7投でさらに40点を追加しているわけですから、もうこんな点数は二度と出ないんじゃないかと思います(^_^;)。

なお、蝶が立っているかどうかの判定は、早蕨の説明を参照してください。
つまり、斜めに立っている場合でもOKです。

斜め立ちの浮舟 斜め立ちの浮舟

ただし、その場合は錘(おもり)の部分が地紙でなく毛氈の方にあるなら、単なる早蕨どまりになります。蝶がだいぶ地紙の斜面によりかかっているように見える場合は、夕顔に判定されることもあります。

こちらは残念ながら早蕨どまり

逆に、錘が地紙の上にさえあれば、翼の方が毛氈の方に出ていても浮舟になります。

こちらは浮舟