その他 調査予定など

ここに挙げるのは、たまたまネットで検索していて拾った物など、どの分類に入れたらいいかわからなかった情報です。ご参考までに。


山形県の投扇興

山形県の新聞サイト等でたまに雛祭り行事で投扇興が展示されていたとか見かけることがあるのですが、1996年10月1月発行の「自然とくらし 四季やまがた」(山形新聞社)の1月の歳時記のページに「投扇興具」の写真があるのを見つけました。
その道具は、扇の骨が8本であることや枕の側面の菊の花、あと点式の上村松園画伯の絵から、おそらく宮脇賣扇庵製の道具だろうと思われるのですが、枕が現在のものよりかなり細長いように見えることや、蝶の脚がやたらと長いのがずいぶん違います。
今でもこの道具で遊んでいる地域があるのかなど、もし情報をお持ちの方がいらっしゃいましたらぜひお寄せください。


古代友禅苑・友禅屋敷「投扇興の間」

佛教大学通信教育部のサイトにかつてあった「佛大ワールド」の「体感京都」のコーナーの中の「京友禅体験」レポートより。
友禅美術館、友禅屋敷、友禅手作りコーナーなど、京友禅のすべてを網羅する情報発信基地ともいえる「古代友禅苑」。その別館である「友禅屋敷」は大正末期に建てられた総檜造りの町家ということなのですが、その中の部屋の一つが「投扇興の間」と名づけられているらしいのです。
何しろ、公式サイトの「友禅屋敷」のページにも部屋名までは触れられていないため詳しい由来は不明で、別に投扇興が展示されているわけでもなさそうですが、何かわかりましたらお知らせします。


日本的偶人(The Dolls of Japan)

ドメイン名からはどこの国なのかわかりませんが、タイトルは「日本の人形」という意味の中国語のようです(2008年12月現在、残念ながらリンク切れになっていますが、参考までにリンクを残しておきます)。
このページのソースを表示させてみると、文字コードセットは「gb2312」ということなのですが、ブラウザの設定をそれにしてもまともに文字が出ない(フォントがないからかな)ので、どこのページだかさっぱりわかりません。(そもそも、なぜこのページが「投扇興」で検索してヒットしたんだろう?)

ただ、上から二段目に「投扇興点式」という画像が見え、ミニチュアの投扇興セットと、いかにも扇を投げ終えた感じの女性の人形が並べられています。
クリックして拡大してみると、

吉粋会会員
田中秀代作
投扇興点式
吉徳監製

と書いてあるようです。
つまりこれは、CMでもおなじみの「吉コの人形」を紹介しているのでしょうか? 全国の人形屋さん、あるいは寺社の雛祭イベントと投扇興は密接に関わり合っているようですので、このページもぜひ探求してみたいですね。

2001年5月24日追記:
東京は浅草橋の「吉コ」本店に行って、資料室長さんにお話を伺うことができました。
現在、「吉コ」では投扇興の本格的なセットも雛道具サイズも含めて取り扱っていないそうで、また古くから伝承されている道具なども特にないそうなのですが、現代の作家の方がこうした遊戯をテーマにした作品をいろいろと作っているそうで、「その写真の作品もその中の1つでしょう」ということでした。
上記のホームページは「吉コ」とは特に関係ないようなので、件の写真を参考までに載せてみます。なお、トップページはこちらです。

「吉コ」の「投扇興点式」と書いてあったので、京人形の田中彌さんと同じようにここにも独特の投扇興形式が伝えられているかと期待したのですが、そういうわけではなかったようで残念でした。
なお、「吉コ」は「日本人形玩具学会」の事務局のような役割(本部は日本女子大学)もされているそうで、「投扇興譜」など貴重な文献が資料室に保管されているのだそうです。私が訪問した日の数日前にも、研究者の方が閲覧に来たばかりだったとのことでした。近いうちに「遊戯史学会」で成果が発表されるそうなので、都合がつけば聞きに行きたいと思っています。